キャンプ道具

【JET BOIL】

tapping

初期型のJETBOILです。

傷だらけでボロボロですが、たくさん僕を助けてくれました。

今回はそんな相棒JETBOILのお話です。

15年間頼れる相棒

まだキャンプブームなど影も形もなかった15年ほど前に、今でも頼れる相棒、JET BOILを購入しました。

購入のきっかけは、娘と出かけた冬の公園で、思いっきり遊んだ後に「お腹すいた…ここでカップラーメン食べたい…」と言われた事でした。また、その時に娘の手がとっても冷たかったのにも驚き、「ホットココアで手を温めさせてあげたい」とも思ったのです。

当時はアウトドア用バーナーの存在すら周囲ではあまり知られておらず、購入した私が友人に自慢しても返ってきた反応は「ふーん」と素っ気ないものでした。ちょっと寂しかったですが、「まあ、キャンプに興味がない人にはそんなものか」と自分を納得させたのを覚えています。

その後、様々なキャンプ道具を調べて、実際に手に取り購入したのが、今でも現役で活躍しているJET BOILです。購入後は冬の良く晴れた日に家族で山の公園に出向き、寒い中、外で念願のカップラーメンを食べることに成功しました。もちろんホットココアで家族全員の手も温められました。

寒中ツーリングでも大活躍

ハーレーでのキャンプの際も、必ず持ち歩いていました。

特に冬場のツーリングではその存在感が際立ちました。冷たい風を切りながら走る冬の道は美しくも厳しいもの。指先まで冷え切った状態で一息つける場所が見つかると、一目散にハーレーを停めて迷わずJET BOILを取り出し、持参したカップラーメンの準備に取りかかったものです。湯気が立ち上るとともに広がる旨そうな匂いに、何度も寒さを忘れさせてもらいました。

あのとき食べたカップラーメンの味は、今でも鮮明に覚えています。極寒の景色の中で味わうカップラーメンは、単なる食事ではなく、特別な一杯となって私の心に深く刻まれています。寒いツーリングの道中、心も体も温めてくれたあの時間は、私にとって今も大切な思い出として輝き続けています。

現在のJET BOILの立ち位置

今では家族でキャンピングカー旅に出ることが増えましたが、JET BOILはいつも「3種の神器」のひとつとして無駄に積み込んでしまいます。

しかし、正直なところ、実際に使う場面はほとんどありません。キャンピングカーにはポータブル電源もあるためT-FALの電気ケトルも使え、車にはプロパンガスが搭載されているので、ガス台でも簡単にお湯を沸かせます。

それでもなぜかJET BOILを持たずに出発することは考えられません。もはやお守りのような存在です。「もしもの時、これがないと困るかも」と思ってしまう自分がいます。そんな心配が杞憂に終わることは分かっていても、あのコンパクトな相棒があるだけで心強さが違うのです。

振り返れば、厳寒の中で湯気立つカップラーメンを食べた記憶や、寒中ツーリングの疲れを一杯のお湯で癒した瞬間が蘇ります。そんな思い出が詰まっているからこそ、JET BOILはただの道具ではなく、旅に寄り添う心の支えなのかもしれません。私にとって、いつまでも特別な存在であり続けるでしょう。

若かった頃がよみがえる

災害時に備えて、いつでも温かい飲み物が飲めるように、定期的にJET BOILのガス残量や点火状態を確認しています。そのたびに器具を組み立てて火を点ける瞬間、買ったばかりの頃の記憶が鮮やかによみがえります。

当時、寒風が吹きつけるツーリングの途中で手を悴ませながらお湯を沸かし、湯気立つカップラーメンに救われた事や、家族で出かけた冬の公園で、娘にホットココアを渡した瞬間の笑顔を思い出します。あの小さな手がカップを包み、心から「美味しい!」と言ってくれた喜びは今でも色あせることがありません。

ふと触れるJET BOILのスイッチや火口から立ち上る温かい炎は、そんな若かった頃の自分や家族との思い出を新鮮なまま呼び戻してくれるのです。

道具とはただの便利な存在で終わることもありますが、私にとってはそうではありません。

このJET BOILを手にするたび、時間を超えて過去の楽しかった瞬間と今が繋がり、思い出が鮮明に蘇る。そんな小さな奇跡を与えてくれる特別な存在なのです。

まとめ

コロナの影響でステイホームの期間に、キャンプがとてもブームになりました。その影響もあり、キャンプやキャンプ用品を取り巻く環境は一変したように思います。様々な商品が次から次へと発売され、商品レビューだけが独り歩きしているような印象すら受けます。

当時は、アウトドア用品は今ほど高額ではなく、良いものを手軽に購入できた印象があります。今では価格も高騰し、なかなか手が出せない金額の商品も増えましたが、それでもその価値は間違いありません。

現在、JET BOILもカラフルでおしゃれなバリエーションが次々に登場し、多くのキャンパーに愛されています。

振り返れば、家族で公園に出かけたあの冬の日々がまるで昨日のようです。JETBOILから湯気が立ち上る光景は、今も私の心に温かい記憶を蘇らせます。そんな思い出を刻んできたからこそ、15年経った今も私にとってこの相棒は特別なのです。

どうか世の中のJET BOIL達もただの消費されるだけの道具にならないことを祈ります。

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